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執筆者の写真Maeshima Takeshi

Emvino(エンビーノ) お客様レポート(1)介護施設での換気状態の把握と改善の例

株式会社手つなぎホーム様(埼玉県さいたま市)

~換気状態の見える化で福祉施設のより安心・安全に~


 株式会社手つなぎホーム様(埼玉県さいたま市)は、知的障害者の方が利用する日帰りの生活介護施設を運営しています。コロナ禍でのより安心・安全な施設運営にシードプラスのIAQ(室内空気質)モニター・Emvino(エンビーノ)を役立てていただいています。

 Emvino(エンビーノ)導入後には、換気対策や従業員の方の意識に大きな変化があったと、代表の越原社長はお話してくださいました。


インタビュー・株式会社手つなぎホーム 代表 越原正登様



1)株式会社手つなぎホームのご紹介


↑株式会社手つなぎホーム 代表 越原正登様(施設の前で)


 手つなぎホームは障害福祉サービスの生活介護分野の施設です。18歳以上の知的障害をお持ちの方が通所する施設を運営しています。

 利用者の方が笑顔で楽しく 安心して過ごせる場所を作りたいと願って家族3人(母、妹)で立ち上げました。私(越原社長)は、この事業を始めるまでは全く介護福祉の世界で経験がなく、全くゼロからのスタート。創業前、先に福祉での経験があった母が、勤務先での人手不足解消のためにと私の妹を仕事に誘い、その経験がやがて独立の思いへとつながっていきます。そして、私も加わり手つなぎホームがスタートしました。

 「手つなぎホーム」の名前には、利用者さんとそのご家族、私たちが手をつなぎ、「利用者さんの第二の家・第二の家族としての存在になりたい」という思いが込められています。

 私たちが目指している、笑顔で楽しく安全・安心に利用者さんが過ごせる施設作りは、当たり前のようで追求するのが非常に難しいテーマです。ただ、難しいからこそ頑張ってみようという思いが独立の根底にあります。 日々の取り組みを通じて、利用者さんたちと心が通じ合えた時にはとても嬉しく感じます。また、思わぬところで利用者さんから私達がパワーをいただくこともあり、自分たちも利用者さんからサポートされていると心から感じるときがあります。 まさに、支えあいの仕事です。



2)感染症対策としての換気~Emvino(エンビーノ)との出会い


 利用者さんには、通常より健康上の配慮を要する方が多く、施設運営に関してはもともと安全面・衛生面に非常に神経を使っていました。しかし、コロナ禍での換気問題で私たちはふたつの矛盾する問題に直面します。それは運営上の理由から、私たちの施設では「窓(ドア)を開ける」ことに制限がある点です。換気には窓を開ける必要がありますが、安全を最優先してあえて開けない窓もあります。


 以前は安全のために「窓(ドア)は開けたらすぐ閉める」というルールを徹底していました。コロナ禍が始まり、施設の安全と換気を両立させるために、窓を開けるルールは変えずに換気を行いました。換気の重要性は認識していても、はじめは換気扇を使用し、目立たない位置にある窓を常時開放するなどの対策を取りました。しかし、コロナ禍の深刻さが増すにつれ、窓開けと安全の両立を目指した対策を模索し始めました。


 換気対策を取り始めてすぐに気になったのが、対策の有効性を確かめる術(すべ)がないということです。「この対策って本当に役に立っているの?」…。「3-4時間に10分間換気」を対策として実施しましたが、今思うとこれは自己満足だったかもしれません。換気しているから大丈夫――でもその根拠は?不安を感じる日々でした。

 そのような時に、㈱合同会計様のご紹介によりEmvino(エンビーノ)に出会いました。


 ↑㈱合同会計様に設置されているEmvino(エンビーノ)


 ㈱合同会計様では、自社のセミナールームにIAQ(室内空気質)モニター・Emvino(エンビーノ)を設置して室内の換気状況を測定し、換気対策を取られていました。当社に来社した担当から「リアルタイムで換気の状態がわかる」と説明を受け、導入を即決しました。



3)データに基づいた換気対策を取れる


↑利用者さんが集う部屋に置かれたEmvino(エンビーノ)。Wifiでクラウドに接続され、測定データはSORACOM LAGOONによって可視化される。


 Emvino(エンビーノ)を導入してから換気状態がIAQ(室内空気質)という数値で可視化され、リアルタイムでわかるようになりました。数値で換気状態を把握することで、安心・安全な室内環境を作り出すことが容易になり、管理上の心理的な負担も軽減されました。 

  IAQを把握できることで、換気対策にも大きな変化が現れました。Emvino(エンビーノ)導入前に実施していた、「3-4時間に10分間換気」から現在では「常時換気の強化」に方針を変更しました。IAQの把握により、施設使用時には「3-4時間に10分間換気」では、換気が不十分なことを発見しました。この方式だと換気した瞬間は良いのですが、利用者さんがいる室内の空気はすぐ換気が必要な状態になります。IAQが悪化していく様子を幾度か数値で確認し、常時換気方式に改めました。結果、以前に比べて換気状態が改善できています。常に換気することが非常に重要です。



4)換気が最も必要となる時間を知る


実際の測定データより。可視化されることで換気が必要な時間が明確になる。そのためいわゆる三密状態の発生する時間帯に未然に防止策を講じることができ、要注意ゾーン(赤の部分)が最小限に食い止められている。



 もう一つの成果は、「換気が最も必要となる時間帯を知ることができる」点です。利用者さんの活動内容によって、IAQは変化します。単純なことですが、このことに気づいたことは換気対策に大きな意義があります。

 Emvino(エンビーノ)は24時間、リアルタイムで施設内のIAQをモニターし続けています。日々のIAQのグラフを比較して、換気が最も必要となる時間帯を割り出し、対策を強化することにつなげています。例えば、午前中の利用者さんが集まる時間にIAQが一時的に高くなる傾向があります。いまは利用者さん向けのプログラムを工夫して、そのあとに散歩の時間を設け、同時にすべての窓を開放して換気しています。この間に室内の空気がリセットされる様子も、Emvino(エンビーノ)で確認することができます。

 従業員の換気に対する認識も変わりました。IAQの数値が高ければ対策をする、というアクションを通じて換気対策が浸透しています。Emvino(エンビーノ)の測定データは外出先にいてもスマホで簡単に確認できるで、今では不在時にもグラフを見て施設の状況がわかります。


5)換気の方法を考えるのに役に立った。


 Emvino(エンビーノ)の導入は、効率的な換気方法を考えるうえでも役に立ちました。夜間の換気方法を検討する際、作動させる換気扇(の位置)を変えるとより効率的に換気できることがIAQからわかりました。部屋の隅に位置している換気扇どうしを作動させるのが一番効率的でした。こうした気づきは自分たちが換気状態を数値で認識していなければありませんでした。これから暑くなり、冷房と扇風機の使用なども考えながら換気対策を考えて行くうえで、これからもEmvino(エンビーノ)を活用していこうと考えています(了)。









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